幾何紋 鱗|うろこ 鱗紋は、古くから用いられてきた単なる三角形の幾何学紋様のひとつで、その形状が魚の鱗を連想させるところから、鱗紋と名付けられたそうです。代表的な使用家としては、あの北条氏が「三つ鱗」を用いています。紋様としても、シンプルかつ強い印象を与えるデザインですので、歌舞伎の衣装に用いられていますね。 幾何紋
幾何紋 角|かく 角はツノとも読みますが、ツノはいわゆる動物のツノのことで、家紋ではツノ紋として別に分類されていますので、間違えないように。角は出張ったカドを表しますが、混用しやすいものに隅(スミ)があります。隅はその名の通り凹んだカドのスミを表す言葉です。... 幾何紋
幾何紋 亀甲|きっこう 亀甲は正六角形の幾何模様のことを指し、亀の甲羅模様に似ていることから、その名称がつきました。亀は長寿でめでたい生き物ですので、瑞兆的な紋様とされています。他の紋と組み合わせて使われることが多く、形態的には一重の線で描かれたものと、内側に細い... 幾何紋
幾何紋 七宝|しっぽう 七宝というと、焼き物やアクセサリーに使われる七宝焼きをイメージしますが、本来は仏教用語で、金銀、瑠璃、瑪瑙、真珠など、七つの宝物を表す言葉です。 家紋の形状としては、あまり宝物とは関係のない形ですが、幾何学的に織りなされる模様は、モダ... 幾何紋
幾何紋 蛇の目|じゃのめ 蛇の目というと、蛇と関係があるのかなと思ってしまいますが、蛇の目を思わせる形状から付いた名です。元々は弓の弦を巻き付ける道具をかたどった紋であり、別名弦巻(弦巻)紋とも呼びます。武具にゆかりがあるだけでなく、シンプルで力強い紋様ですから、古... 幾何紋
幾何紋 巴|ともえ 巴は、元々は弓を引くとき左手の肘に巻き付け、腕を保護するための武具(鞆絵=ともえ)をかたどったものとされています。この武具は渦巻き型ですので、ご先祖様が、これに巴(は)という漢字を当て、ともえと読ませたそうです。ゆえに巴はいつの頃から武具を... 幾何紋
幾何紋 引き|ひき 引きは、正しくは引両(ひきりょう)といい、横に引かれた直線を指します。紋としての起源は明らかではありませんが、横に力強く引かれた直線に武家の気骨がよく現れています。引きの数は一つ引きから八つ引きまであります。足利氏が二つ引きを用いたところか... 幾何紋
幾何紋 菱|ひし 菱の語源についてはヒシの実(沼に自生。食用で鋭いトゲがある)から転化した説が有力です。紋様としては飛鳥時代からすでに使われており、家紋としても平安時代には成立しています。色々なデザインバリエーションがありますが、他の紋と組み合わせても使われ... 幾何紋
幾何紋 浮線綾|ふせんりょう 文様ではなく織り方の名称で、文様を浮き織りにした綾のことをいいます。糸を浮かして織る浮線綾は、有職文様の代表的なもののひとつで、特定の模様を指すのではありません。そのため浮線桐とか浮線蝶というように区別します。 桜浮線綾 ... 幾何紋
幾何紋 松皮菱|まつかわびし 菱に上下に更に小さな菱を付けたデザインで、その形状が松の外皮に似ていることに由来します。日本特有の紋様とされています。 松皮菱 中陰松皮菱 四つ松皮菱 鉄砲松皮菱 細松皮菱に隅立四つ目 ... 幾何紋
幾何紋 村濃|むらご 村濃とは同じ色の濃淡で染め分けた模様のことをいいます。いわゆるグラデーションですね。それぞれの家の色を染め分け戦旗として戦場に美しく翻ったそうですが、いつしか実用的にグラデーションがなくなり、現在の形になりました。点々模様はその名残とされて... 幾何紋
幾何紋 目結|めゆい 結(ゆい)というのは結ぶことです。髪結いなどといいますね。この場合の目は「間」「穴」のことを指します。目結いとは糸を使った絞り染めの技法のことで、鹿子絞りとも呼ばれます。この言葉は平家物語にも登場しますので、相当古くからあった技法のようです... 幾何紋
幾何紋 輪:糸輪|いとわ 輪はその名の通り丸形の輪の形をした紋です。輪は旧い時代には少なく、戦国時代に大いに流行したそうです。他家との識別に便利であるように、あるいは宗家分家との区別など、様々な意図で用いられたのでしょう。 輪にはふとさの順に、厚輪、太輪、中太... 幾何紋